博多屋台人のこだわり

店主編

ラーメンと言えば一般的には「ラーメン店」で修行をしたり、世襲だったりですが、僕の場合、博多の文化である『屋台』の「ラーメン」に育ててもらったのであえて『屋台』の味を全面に出しています。

博多純情らーめん

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ShinShinのらーめんを総称して『博多純情らーめん』と呼ぶようになったのは2011年に東京のイベントに参加した時のことです。2003年に天神本店を出店してから今に至るのですが、イベントに出店させていただくことも増えたので、私の作るらーめんに対する思いを伝えられるタイトルはないかと頭を悩ませ考えた名前です。

私のラーメンは屋台の「長浜ラーメン」からの流れなのですが、いにしえの「博多ラーメン」の良さも加えたくて開発しました。私の目指したラーメンは、懐かしさの中に新しさもあるラーメンでした。誰もが飲み干してしまうスープとそれを邪魔せずそのスープを吸い上げてくれるシンプルな細い麺。このふたつを追い求め目指したラーメンが完成しました。それが基本の「ShinShinらーめん」であり、そこに行き着くまでの純粋な気持ちを表して『博多純情らーめん』と呼ばせていただいています。

師匠や仲間たちとの出会い

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この業界との出会いは10代の頃に渡辺通りの「中華山庄」さんで出前のバイトをしたことに始まります。その後、東京で就職し、2年間サラリーマンとして働きました。東京での生活している間にこの業界への憧れがよみがえり、兄弟子を頼って博多へ戻ってきました。そして人気屋台の「ともちゃん」にお世話になりました。あの経験は今の糧になっています。常に満席で待つお客様も多く、お客様を楽しませるためには味だけでなくトークやパフォーマンスも必要で、仕込み・準備・料理にプラスして多くのことを学んだのですから、学生時代より真面目に勉強したかもしれませんね(笑)。それから兄弟子と「屋台おかもと」へ行き、店長として働かせていただきました。そこからは大将となった兄弟子と二人三脚で毎日毎日来る日も来る日も夕方から朝まで身を粉にして働きました。雨でお客様がいらっしゃらない時でも豚骨スープを炊き続け、「美味しい」と言われるラーメンを作るのに必死でした。そして「屋台けいじ」でも働きました。「屋台ともちゃん」「屋台おかもと」「屋台けいじ」で培った人脈が今も生きているんですからありがたい話です。大将方には感謝の気持ちで一杯です。そんな屋台での修行が10数年続き、縁あって、2003年に今の天神本店への出店の話をいただき、私の名前をとって「ShinShin」がスタートしたんです。その時にスープ職人の吉田さんと出会い、現在のスープや麺を開発しました。今では素晴らしいスタッフにも恵まれ、店舗の拡張やイベントへの出店など忙しく過ごすことができ、初めて天神にお店を構えてから、10年目にして有名店がひしめく博多駅の博多デイトス「博多めん街道」にも出店することができました。本当にありがたい話だと出会えた全ての方々に感謝の気持ちで一杯です。

屋台の味にこだわって・・・

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やはり、屋台で師匠達に教わってきた味、培ってきた経験は私にとって財産です。「ShinShin」の味は、その味を引き継ぎながら、進化した博多の味にしたいと努力してきました。また、味のブレを出さないように、那珂川町に小さいながらも自社スープ工場を設け、スープ職人の吉田さんとスタッフがスープを炊き、各店舗へ毎日配達しています。スープが命のラーメンだからこそ、味のブレは許されないと思うからです。また、「ShinShin」のスープは単純に豚骨を炊くだけでなく、豚骨ベースに鶏ガラや香味野菜を使って作っています。これが、老若男女問わず、スープを一滴残らず、召し上がっていただきたいと思考錯誤して開発した「ShinShin」独自のスープです。つまり、屋台の味を継承し進化したのが「博多純情らーめん」のスープの味なのです。私自身のラーメン好きが高じてこのスープの味にたどり着いたのかもしれませんが、「ShinShinのらーめんは食べやすくて美味しいね」と言っていただける時が一番の喜びです。ShinShinの各店舗にははらーめんの他にちゃんぽんや焼きらーめん、居酒屋メニューも置いています。メニューの内容は焼きもの・串ものをはじめ、屋台中華など、やはり育った屋台の延長線上の料理を多く置いています。中でも母と姉が丹誠こめて餡を作り、ひとつひとつ握っている「博多一口餃子」にはとても自信がありますし、人気の商品です。是非一度ご賞味ください。

イベント

tenshu_parts_04 最近ではイベントに呼んでいただく数も増えました。はじめて大都会東京・お台場のイベントに出店させていただいた時はどうなることかと思いましたが、好成績を残すことができました。イベントは忙しいほど楽しいものですので呼び込みも含めて目一杯全力投球なんです。どこのイベントでもお客様に喜ばれる、しっかりと美味しい『博多純情らーめん』を提供できるよう努力しています。

これからのShinShin

数年後にどんなカタチになっているか想像もつきませんが、今ある味を変わらない味として、また向上していけるよう努力して参りたいと思います。ShinShinに足を運んでいただくお客様はもちろん、スタッフも豊かな笑顔に包まれるような会社になっていければ幸せだなと思いますし、人材の育成も含め、これからも日々精進していかねばならないと思ってます。皆さんの笑顔に出会える環境を作り上げるのがこれからの仕事だと思いますので、お気軽に『博多純情らーめん』食べてほっこりしてください。